工房の壁に並ぶ、年季の入った鉋の道具棚

創業・大正元年(1912)

道具を守り抜いた先に、
三代・110年の指物がある。

初代が興した小さな指物工房は、戦火をくぐり抜け、二代目・三代目へと受け継がれてきました。 今の工房にある鉋の一本一本にも、その歩みが刻まれています。

創業からの歩み

三代にわたる、指物師の系譜

公式サイトに記録されている沿革を、そのまま年表にしました。

1912大正元年

初代・茂上兵次郎、創業

江戸家具(地物)を得意とする指物師・富村長松に師事した茂上兵次郎が、工房を創立。 製作のかたわら、多くの弟子を育て上げました。

1930s昭和10年代

戦時中、道具を土管に隠して守り抜く

第二次世界大戦中、職人の命である鉋やノミなどの道具類を土管の中に隠して守り抜いたと伝わります。 その一部は現在、江戸東京博物館の展示室「独身指物職人の部屋」で見ることができます。

1945昭和20年

東京大空襲、そして再建へ

東京大空襲により兵次郎は死亡し、工房も壊滅的な被害を受けます。奇跡的に生き残った息子・豊二郎が 修行を続けて跡を継ぎ、工房を再建。その後、同業者たちと「江戸指物協同組合」を立ち上げ、 江戸指物が国の伝統工芸品の指定を受ける道をつくるなど、江戸手工業文化の伝承と産業発展に 大きく寄与しました。

1995平成7年

三代目・豊が継承

豊二郎の長男・豊が三代目を引き継ぎ、昔ながらの「江戸前」「江戸の粋」を守り続けています。 現在は日本に十人ほどしか残っていない江戸指物の伝統工芸士として、体験教室でもその技を直接 伝えています。

鉋とノミで木材を加工する職人の手元

工房での実際の制作風景(公式サイトより)

作品が結ぶ縁

工房の外にも残る、茂上工芸の仕事

茂上工芸の仕事は、体験教室やショールーム「杢柾庵」だけにとどまりません。公共施設や文化施設にも、 その技が生きています。

  • 江戸東京博物館 江戸ゾーン:棟割長屋「独身指物職人の部屋」内部の作りを指導。家伝来の兵次郎らの道具類を寄贈。
  • モア美術館敷地内ブロンズ指導標の原型を製作。
  • 茶室「一白庵」内部と家具・茶道具を製作。
歴代当主

初代から三代目まで

初代

茂上兵次郎

富村長松に師事し1912年に創業。多くの弟子を育てながら、戦時中は道具を守り抜いた。

二代目

茂上豊二郎

戦災を乗り越えて家業を再建。「江戸指物協同組合」を設立し、国の伝統工芸品指定に貢献。

三代目

茂上豊

1995年に継承。伝統工芸士として、現代の暮らしに合う「小粋モダン」な指物を手がける。

この工房で、実際に鉋を握ってみませんか。江戸指物 マイ箸作り体験は毎週水曜・土曜開催です。

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